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さて、問題です。
今回は皆さんが普段見かけないものをお見せしようかなと思います。
さて、これはなんでしょう?
決してコーンフレークとか砕いたクッキーとかではないです。
これはワインに含まれる「酒石」です。
では、この酒石はどうやってできるのかと言いますと、もともとブドウには酒石酸やリンゴ酸、クエン酸などが含まれており、その酒石酸とカリウムが結合してできる酒石酸カリウムのことを一般的に酒石と呼んでいます。
これはガラス状の結晶として沈澱するもので、ワインの入っている瓶の底をよーく見てみると、たまーに結晶が見られます。
こんな感じで。
これは細かい粒ですが、酒石はダイヤモンドのようにキラキラしているので瓶の底に見つかるとなんか嬉しくなります。
飲んでも害はありません♪
最初にお見せした写真の酒石は色が茶色っぽくなってますが、これは発酵終了後の澱引きで出た酒石です。
酒石はアルコールに溶けにくい性質を持ちます。
なので、アルコール発酵中はアルコール度がどんどん上がっていくため、酒石の溶解度が下がり、比較的品温が高くても酒石が結晶化して出てきます。
もう一つ、酒石は温度が低いと結晶化する性質を持ちます。
なので、発酵終了し、澱引きをした後に冷却処理を行います。
冷却処理でワインの品温を-4℃まで下げることで酒石を析出させます。こうすることで、製品になったワインの瓶の底に酒石が出ないように、製品後の安定化を図っています。
ちなみに、発酵終了後の澱引きをした後のタンクの中の様子はこんな感じです。
タンクの底や側面にびっちりと酒石がくっついています。
うちは発酵終了したときに、確実に発酵を停止させるために亜硫酸の添加と、酵母の沈降を早めるためにタンクの外側に冷水を流して品温を下げます。
そのためこんなに出るのです。
実はこの酒石がびっちり付いたタンクを洗うのが一苦労なのです・・・。うちはひたすらお湯をかけて落としています。
ちなみに酒石を舐めてみると・・・口がすぼまるくらい酸っぱいです!(>x<;)
ということで、今回は酒石のお話でした!